電工らぶ -ゼロから始める電気工事士-:その系譜と、子孫と、日本での評価
01この原点とは
電工らぶ -ゼロから始める電気工事士- は、日本のソロ開発者Tsumugi Gamesが、開発・発売のすべてを自分だけで手がけ、2026年に発売した学習ビジュアルノベルだ。実在する第二種電気工事士の資格試験——開発者独自の詳しい解説付きの過去問1000問、本番のCBT方式を再現した模擬試験、数百枚の暗記カード——を、18歳でやり直す機会を得た男が5人のヒロインとともに科目ごとに学んでいく物語へ組み込んでいる。実在の国家資格試験の本物の過去問を、科目ごとのヒロインという物語構造へ接ぎ木した先行作を捜索したが、見つからなかった。だから本作は、少なくとも今回の捜索の範囲では、その特定の形式の受け継いだ側ではなく、始まる場所そのものだ。
02出典
03この原点を継ぐ発掘
電工らぶ -ゼロから始める電気工事士- 埋もれた名作
Steam自身の表記によれば、本作は「勉強がつらい」という感覚そのものを変えるために作られた学習ビジュアルノベルだ。何も残らなかったはずの45歳の男が目を覚ますと、そこは18歳の教室——やり直せる人生で、今度は手に職をつけることを選び、第二種電気工事士の資格に挑む。物語が進むにつれ、5人のヒロインがそれぞれ異なる科目を教えてくれる。そしてその物語は、実際の試験が拠って立つ本物のコンテンツによって裏打ちされている——試験実施団体が公表した過去8年度分の過去問1000問(開発者独自の詳しい解説付き)、本番のCBT方式を再現した模擬試験、配線図記号や法規を語呂とSVG図解で覚える暗記カード428枚、頻出テーマを深掘りする解説動画38本。内蔵の「オフラインAIアシスタント」は学習の疑問に答えてくれるが、開発者自身の説明によれば文章は生成せず、開発者があらかじめ執筆・検証した教材データから該当箇所を検索して表示する仕組みで、処理はすべて端末内で完結し外部にデータは送信されない。開発・発売はともに「Tsumugi Games」名義で、Steamの開発者検索でもこの名義に紐づくのは本作と体験版の2件のみ。正直に一点先に開示する——本稿執筆時点で発売されたばかりで、レビューの蓄積は実質的にまだ無く、当サイトが通常待つレビュー数には遠く及ばない。それでも今回は、実績ではなく企画そのものの独自性(実在の国家資格試験の過去問をデーティングシム的な学習教材に組み込む発想)と、開発元のクリーンな単独タイトル実績を根拠に、早期の賭けとして取り上げる。無料ではない有料タイトル(¥1,980、発売記念セールで¥1,485)で、Steamのコンテンツディスクリプタは完全に空、性的な要素は一切フラグされていない。ストアページには「AI生成コンテンツの開示」欄があり、一部のイラスト・音楽・音声・テキスト素材の制作工程でAIを利用し、生成された素材はすべて開発者が確認・調整の上で収録していると明記されている——この開示をそのまま正直に伝える。AI利用そのものを減点材料としては扱わない。対応言語は日本語のみで、AUTOMATON WESTを含めまだどの西側メディアも取り上げていない——発売されたばかりなので当然のことだ。