無限にループする回廊で、被写体を撮る。撮った写真でデッキを組み、夜を越える。
Steam自身の表記によれば、本作は「デッキ構築型3D探索サイコホラー」だ。無限にループする回廊で「被写体」を撮影して特殊な力を持つ写真を作り、その写真でデッキを組み、死者の特性と名前を推理して、回廊の終点にある死者の魂を回収する。当サイトで紹介する727 Not Hound作品は、『悪夢のような日々でした』『国際指定怪異123号 廃村』に続いてこれが3本目で、AUTOMATONと電ファミニコゲーマーはともに開発者を国内の個人開発者と紹介している。土台は「ふりーむ!」で今も無料公開されている試作品『P.M.(プレイアブル・モックアップ)』で、これは本作の無料版ではない。98件で好評率89%の「非常に好評」、価格¥1,900の有料タイトルで、アーリーアクセスではない。98件のうち92件が日本語のレビューで(日本語だけでも「非常に好評」)、残りは簡体字中国語4件・繁体字中国語1件・韓国語1件、英語は0件。不評11件はすべて日本語だ。対応言語は日本語のみで、英語版のストアページに残る英語対応の予告も実現していない。国内媒体のAUTOMATON(4本)と電ファミニコゲーマー(2本)に加え、英語のAUTOMATON WESTも発表記事を載せているが、英語のレビューは0件で、英語圏のプレイヤーにはまだ届いていない。正直に開示すると、Steamのお知らせは2023年4月が最後で、2023年2月の時点で取得できない実績があると告知されていた。開発者は2025年7月、SSDの破損で今の版を更新できなくなったとして、「オーバーホールド」というサブタイトルでゼロから作り直し、無料アップデートとして同年末から翌年3月の間に出すと予告したが、改修版はまだ出ておらず、2026年3月の告知でも新しい時期は示されていない。Steamの日本語の不評レビューには「未完成」の一言だけのものもある。AUTOMATONの2022年10月のコラムは動作の重さを指摘し、開発者はその後軽量化を告知したが、今の動作は確認できていない。
公開 2026-08-20
01まず、その一点の感覚
- 無限にループする回廊で「被写体」を撮影すると、特殊な力を持つ写真ができ、その写真でデッキを組む。探索することが、そのままデッキを組むことを兼ねている——何を撮るかが、何を持って先へ進むかになる。
- 電ファミニコゲーマーの発売記事によれば、回廊は任意のタイミングでループしてスタート地点に戻るが、撮影した写真はそこで再撮影できるオブジェクトとして現れる。AUTOMATONのコラムによれば、写真の効果で時間やフィルムの数、写真の使用可能枚数も増減する。
- 魂の居場所を突き止めるには死者の特性と名前を推理しなければならず、AUTOMATONのコラムも、デッキを気持ちよく回すだけではクリアできないと書く。推理が難しければ、強力な探偵道具を持ち込んで強引に解決することもできる、とストアは書いている。推理で詰めるか、道具で押し切るかをプレイヤーが選べる。
02こういう人に刺さる
刺さる
- ドミニオン系の、山札そのものを育てていくデッキ構築を、一人称視点の3Dサイコホラーという全く別の形で遊びたい人
- 当サイトで紹介した『悪夢のような日々でした』『国際指定怪異123号 廃村』と同じ作り手が、デッキ構築とホラーを組み合わせた一本も遊んでみたい人
- ランダムに作られる状況に、集めた探偵道具と、死者の特性と名前の推理で挑む、周回型のゲームが好きな人
合わない
- 完成して更新が続いている状態を求める人——Steamのお知らせは2023年4月が最後で、2023年2月には取得できない実績があると告知された。ゼロから作り直す改修版は予告の時期(2025年末から2026年3月)を過ぎても出ておらず、Steamの日本語の不評レビューには「未完成」の一言だけのものもある
- 英語で遊びたい人や、控えめな性能のPCで遊ぶ人——対応言語は日本語のみでWindows専用、最低動作環境はIntel Core i7・メモリ8GB。発売当初はAUTOMATONのコラムに動作の重さを指摘され、その後開発者が軽量化を告知したが、今の動作は確認できていない
03系譜:この味の原点
89% が好評レビューはわずか 98 件英語にまだ非対応 — なのに、ほとんど誰も見つけていない
Photogenic Minds : Identity 埋もれた名作
Steam自身の表記によれば、本作は「デッキ構築型3D探索サイコホラー」だ。無限にループする回廊を歩き、「被写体」と呼ばれるオブジェクトを撮影すると、特殊な力を持った写真ができる。その写真でデッキを構築し、回廊の終点にある「死者の魂」を見つけて回収すれば1ゲームが終わる。魂の居場所を突き止めるために、死者の特性と名前を推理する論理パズルの要素もある。状況はランダムに作られ、不可思議な「探偵道具」を集めていく。難しいと感じたら、強力な探偵道具を持ち込んで強引に解決することもできる、とストアは書く。回廊にはPM0:00からAM0:00までの「12の時刻」が流れ、写真の力で時間を支配して、夜を越えられない超常多発都市レデルリンの夜を越えることが求められる。ストアの物語紹介は、この街で探偵業を営むジェニファー・サイレントフォールから始まる。開発・発売は727 Not Hound。AUTOMATONは開発者を「国内の個人開発者である座間氏」とし、727NotHoundは同氏のデベロッパーとしての名義だと書く。電ファミニコゲーマーも「国内の個人ゲーム開発者」と紹介している。当サイトで紹介する727 Not Hound作品は、『悪夢のような日々でした』『国際指定怪異123号 廃村』に続いて、これが3本目だ。土台になったのは、日本のフリーゲーム配信サイト「ふりーむ!」で今も無料公開されている試作品『P.M.(プレイアブル・モックアップ)』で、これは本作の無料版ではない。Steamには有料の前作『Playable Mockup』も別にある。2022年9月29日にVer0.9として発売され(Ver1.0への更新は同年10月15日)、98件のレビュー(好評87件)で好評率89%の「非常に好評」。価格¥1,900の有料タイトルで、アーリーアクセスではない。言語別では、98件のうち92件が日本語のレビュー(好評81件。日本語だけでも「非常に好評」)で、残りは簡体字中国語4件・繁体字中国語1件・韓国語1件、英語は0件。不評11件はすべて日本語のレビューだ。対応言語は日本語のみで、英語版のストアページの紹介文には、最初の一文のすぐ後に「*English will be supported.」という英語対応の予告が残っているが、実現していない。媒体には載っている。日本語ではAUTOMATONが4本(発表と配信日のニュース、コラムの1段落、セール紹介の1行)、電ファミニコゲーマーが2本、英語ではAUTOMATON WESTが発表記事の英語版を載せた。本作だけを扱ったレビューや特集は見つかっておらず、英語のレビューは0件で、英語圏のプレイヤーにはまだ届いていない。ここからは正直に開示する。Steamのお知らせは2023年4月が最後で、2023年2月のお知らせでは、存在はするがまだ取得できない実績があると告知されていた。開発者は2025年7月、Xで、プロジェクトファイルを保管していたSSDが破損して今の版を使ったアップデートができなくなったと告げ、「オーバーホールド」というサブタイトルでゼロから作り直すこと、新たな購入ではなく無料アップデートとして提供すること、従来の版はSteamのビルド切り替えで引き続き遊べるようにすること、リリース時期は同年末から翌年3月の間の予定であることを伝えた。2026年3月には、ゼロからの再構築を予定しており、開発資金のためにパブリッシャーと交渉中で、交渉がまとまらなくても着手している開発は進める、と書いたが、新しい時期は示していない。改修版はまだ出ていない。Steamの日本語の不評レビューには、本文が「未完成」の一言だけのもの(2026年6月)がある。動作については、AUTOMATONの2022年10月のコラムが「動作が重い点などを考慮すると気軽におすすめはし辛いです」と書いた。開発者はその後、使用メモリが大きすぎる問題の解消や、繰り返し遊ぶと動作が重くなる問題の改善を告知し、2023年4月には一部環境で非常に重い負荷になっていたメモリリーク対策の処理を削除した。今の動作は確認できていない。なお開発者は、試作品のふりーむ!のページで、カメラで除霊するゲームとの類似性は偶然だと書いている。
あなたの手で、最初の合格をドミニオン 原点
この味の原点——ドミニオン。ドナルド・X・ヴァッカリーノがデザインし、2008年にリオグランデゲームズが発売したカードゲームだ。全員が同じ10枚(銅貨7枚と屋敷3枚)の山札から始め、場に用意されたカードを買って山札を強くしていき、買ったカードは後の手番で引いて使えるようになる。最後に勝利点の多いプレイヤーが勝つ。英語版Wikipediaは、これを最初のデッキ構築ゲームとし、その中心の仕組みを土台にしたジャンルを生んだと書いている。Photogenic Minds : Identityとのつながりは当サイトの見立てで、開発者の公言ではない。開発者は試作品のふりーむ!のページで、遊ぶとご存知のゲームがいくつか思い浮かぶ方もいるだろうと書いたうえで、「そう、そのゲームが元になっています。それと、それです。その2つが主軸です。」と書くだけで、作品名は挙げていない。当サイトが拠り所にしているのは他者の呼び方だ。AUTOMATONは発表記事(英語版がAUTOMATON WESTにある)で、本作の基本的なルールを「ドミニオン」系のデッキ構築型カードゲームに近いと書き、2022年10月のコラムでもデッキ構築部分はドミニオンに近いシステムだと書いた。配信日の記事では、土台になった前作『Playable Mockup』のルールをドミニオンに近いと書いている。Steamの日本語のレビューにもドミニオンの名を挙げるものが2件あり、うち1件は「テーブルゲームのドミニオンをFPSホラーでやる感じのゲームです」と書く。受け継がれているのは、遊びながら自分の山札そのものを育てていく核の部分だ。はっきり違うのは形で、ドミニオンは2〜4人で勝利点を競う対戦カードゲームで、ホラーも探索も推理も無い。本作は1人用の一人称3Dサイコホラーで、カードは撮影で作り、12の時刻が流れるループする回廊を進み、死者の特性と名前を推理する。
あなたの手で、最初の合格を04あなたの手で、この原石を輝かせる
気になったら Steam で確かめて、最初の合格をあげてほしい。あなたの一押しが、埋もれた原石を輝かせる。
あなたの合格が届いた。原石が、いま光をつかんだ。
05この味の血統
- ドミニオン 原点
- Photogenic Minds : Identity 現在地
- 状況を読んで組むゲーム 別の味