どこでもいっしょ:その系譜と、子孫と、日本での評価
01この原点とは
『どこでもいっしょ』は、ソニー・コンピュータエンタテインメントがポケットステーション向けに1999年に発売した作品で、「言葉を教えるコンパニオン」を確立した——決まった台本のない小さなキャラクターに言葉やフレーズを教え込むと、後になって、頼んでもいないのに、自分が書いていない会話の中でそれを勝手に使い出す。結果は支離滅裂なこともあれば、不気味なほどタイミングよく噛み合うこともある。娯楽の中心が作者の書いた台詞ではなく、自分が教えた言葉が予測不能な形で返ってくることそのものにある、というゲーム群の系譜の原点である。
02出典
03この原点を継ぐ発掘
サシ飲み萃香ちゃん 埋もれた名作
Steam自身の表記によれば、本作は鬼の伊吹萃香と飲み屋で他愛もない会話を交わし、言葉を教えたり、噂話を聞いたり、店のメニューを充実させたり、奢ってあげたりする言葉遊びのシミュレーションゲームだ。東方Projectの二次創作作品であることが冒頭で明記されている。仕組みとしては、萃香に言葉を教える——人物でも食べ物でも自由で、真面目でもふざけたものでもよい——と、教えた言葉が後の会話に予告なく登場し、突飛な酔っ払いのような会話や、偶然にもマッチするような会話を生む。食材に関する言葉を教えれば店のメニューが増え、そのメニューを奢ることもできる。制作・自社発売はソロ同人クリエイターのISY。Steamに並ぶ12作品はすべて東方Projectの二次創作による1キャラクター1本の小品で、その中には当サイトが既に取り上げた『寒いから鍋食いたいね女苑ちゃんと!!』も含まれる——隠さずここに記す。価格は¥700。15件のレビュー(好評15件・不評0件、Steam自身のレビューAPI実測)で好評率100%(「好評」)。無料ではない有料タイトルで、アーリーアクセスではなく正式リリース済み、AI生成コンテンツの開示欄は無く、Steamのコンテンツディスクリプタは完全に空である。対応言語は日本語のみ。15件の内訳は日本語11件・英語わずか1件で、日本のプレイヤー自身が本作を、キャラクターに言葉を教え込むと予測不能な形で返ってくる、というPocketStationの名作『どこでもいっしょ』になぞらえている。