代筆屋ワールドワード(novelgame.jp無料版):その系譜と、子孫と、日本での評価
01この原点とは
本作が育った、その無料版の原点——『代筆屋ワールドワード』。2024年、日本のフリーゲームサイト「novelgame.jp」で、1エピソードのみの版として無料公開された。制作は2名構成の同人サークル秘密結社マテンロウ計画。この時点ですでに、この系譜のひな型——依頼人からの手紙の注文を受け、街を歩いて言葉やアイテムを集め、その肝心な結末が自分の手ではなくルーレットの一振りで決まるのを見届ける代筆屋——を備えていた。Steam版『代筆屋ワールドワード』は、外部からこの着想を借りた新作ではない——この同じ無料ゲームを、フリーランスのプログラマーせきやdn率いるStudio Dragonetと組んで拡張し、Steam・Nintendo Switch向けの全5エピソードの商業版へと作り上げたものだ。
02出典
03この原点を継ぐ発掘
代筆屋ワールドワード 埋もれた名作
Steam自身のストア文言によれば、架空の共和国ウィルズベリー、その首都エデにある小さな店が舞台だ——「あなたの気持ちをぴったりの言葉で伝えます……ラブレターから果たし状、謝罪文、契約書まで、なんでもお任せください!」。プレイヤーはこの店のスタッフとなり、11人の個性的な依頼人の要望を聞き、街へ出てその依頼に見合う言葉やアイテムを探し集める。Steam自身の表記によれば、そのひねりは結果を完全には制御できない点にある——「執筆中にプレイヤーができるのは、結びの一文をルーレットで決めることだけ」。ゲームは実は関係のない言葉もたくさん覚えさせてくるため、そのルーレットの一振りが、心を込めたラブレターを暴言まみれに変え、謝罪文をさらなる大炎上に変えてしまうことが日常茶飯事だ。全5エピソード(各15〜30分でプレイ可能)、実績14種、フルコントローラー対応、Steamクラウド対応という構成で、始まりはSteam自身も「エピソード1」として明記する無料の単発版——2024年、日本のフリーゲームサイト「novelgame.jp」で「ティラノフェス2024」参加作として無料公開された版だった。Steam自身の開発者クレジットは、2名構成の同人サークル秘密結社マテンロウ計画(novelgame.jp上での代表クレジットは「うた」)と、フリーランスのプログラマーせきやdnによるひとりスタジオStudio Dragonetを並記しており、どう数えても極めて小規模な体制だ。発行は、東京都品川区西五反田を拠点とするマイクロインディーレーベル、わくわくゲームズ——その親会社Chorus Worldwide自体も独立系のインディーパブリッシャーで、超大手ホールディングや上場ゲーム大手の系列ではない。発売日は2025年11月26日、価格¥1,500。139件のレビュー(好評132件・不評7件、Steam自身のレビューAPI実測)で好評率95%の「非常に好評」。無料ではない有料タイトルで、アーリーアクセスではなく正式リリース済み、AI生成アセットはなく、Steam自身のコンテンツディスクリプタ上も何一つ記載がない(ids:なし、notes:なし)。対応言語は日本語(フルボイス)に加え簡体字・繁体字中国語だが、英語には一切対応しておらず、139件のうち英語レビューはわずか2件(いずれも好評)、1.4%程度に留まる。日本のゲームメディアAutomatonは2024年8月の無料版公開時と2025年11月の商業版発売時の2回本作を報じたが、いずれも日本語サイトの記事のみで、英語版AUTOMATON WESTへの掲載は確認できなかった。