Ib:その系譜と、子孫と、日本での評価
01この原点とは
『Ib』は、個人開発者kouriによる作品で、2012年に無料のRPGツクール2000作品として日本で発表され、2022年にPLAYISMが発売した商業リメイク版(appid 1901370)で現在も遊べる。少女Ibは両親と美術館を訪れるが、気づけば一人取り残され、館そのものが姿を変えていく——戦闘は一切なく、探索し、物を調べ、敵から逃げて生き延びるしかない。ごく普通の家族の外出が、いつの間にか超現実的な悪夢へと変質していく。ごく普通の場所での外出が不穏なものへと変質していく、という、日本の個人開発ホラーアドベンチャー群の系譜の原点である。
02出典
03この原点を継ぐ発掘
おままごと 埋もれた名作
父ハルマが娘なおりと休日に公園を訪れ、『おままごとハンドブック』に沿って、結婚式ミッション、ペットミッション、お使いやミニゲームをこなしていく一人称インディーホラー。やがて異様なことが起こり始め、突然の侵入者と対峙することもある。エンディングは2種類、全回収には約4〜6時間。日本の個人開発者・鬱薔薇檸檬(UtubaraLemon)による一本で、第三者パブリッシャーを介さない自社配信、発売日は2025年9月25日。201レビュー93%(好評187・不評14)で非常に好評。テキスト対応は英語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・ロシア語・簡体字中国語・日本語・韓国語・ポルトガル語(ブラジル)に及ぶが、開発者自身の開示によれば日本語以外の翻訳はChatGPTによるローカライズのため、一部表現が不自然になる場合がある。数字には正直な意外性がある——レビューの言語内訳は簡体字中国語(90件)・韓国語(51件)が日本語(36件)自体を上回り、英語は最も少ない14件にとどまる。日本発でありながら、中国と韓国が先に見つけたゲームであり、英語圏の読者にはまだほとんど気づかれていない。Steam自身のコンテンツ注記は、本作がフィクションであり実在の人物・出来事とは無関係であること、自殺を含む死の描写や突発的な驚愕演出(ジャンプスケア)を含むこと、そして未成年への性的搾取を示唆する描写は一切ないことを明記している。
ミガカミカガミ -reviver- 埋もれた名作
Steamのストアページによれば、『ミガカミカガミ -reviver-』は、2Dドット絵の脱出アドベンチャーのホラーだ。バス事故で入院した奈恵のもとにみかがお見舞いに来ると、二人の周りが不気味な異界に変わっている。AUTOMATON日本版は、化け物が徘徊する病院を探索する作品と書いている。Steam版は、原作にEXTRAストーリーと2つの結末を足している。作り手はRimで、Steamの開発元も発売元も同じ。日本開発は、Steamのストアページ(対応言語は日本語のみで、個人サイトと開発者のX @RimMirror1へのリンクがある)と、電ファミニコゲーマー(news.denfaminicogamer.jp/news/240902j)で確かめた。電ファミは作り手を個人ゲーム制作者のRim氏と書き、リメイクを制作していることをRim氏が自身のXで明らかにしていたこと、もともとあったストーリーを活かしつつボリュームを3倍くらいにしたというRim氏の投稿を引いている。Steam版は2025年7月31日の発売で、無料(基本無料のジャンル・早期アクセスではない)。原作『ミガカミカガミ』は2015年にふりーむ!で配信された無料のフリーゲームで、第11回ふりーむ!ゲームコンテストの脱出アドベンチャー部門で金賞を受けた(電ファミによる)。今回の作品はそのリメイクで、原作とは別の版だ。Steamでは53件中52件が好評で、好評率約98%の「非常に好評」。言語別では日本語34件・簡体字10件・韓国語4件・英語2件・繁体字0件・その他3件で、日本語が最大のグループだ。Steamの対応言語は日本語のみで、英語には対応していない。Steamの内容の区分のIDは5(General Mature Content)で注記は無く、Mature Content Descriptionは定型文だけ。required_ageは0。SteamのAI開示は無い。日本では未発見の作品ではなく、電ファミニコゲーマーが2024年9月にリメイクの発表を報じ、AUTOMATON日本版も発売の告知を載せている。ただ英語圏にはほとんど届いておらず、英語のレビューは2件だけだ。