Only Up!(上がるのみ!):その系譜と、子孫と、日本での評価
01この原点とは
Only Up!(上がるのみ!)は、SCKR Games が開発し2023年に Steam で配信された3Dのクライミング・プラットフォーマーである。プレイヤーは、垂直にそびえ立つ、浮遊する足場と瓦礫の塔を、ひたすら上へと登っていく——そしてチェックポイントが存在しないため、たった一度の踏み外しで遥か下まで落ち、苦労して稼いだ高さが一瞬にして失われることがある。ゲームの緊張のすべてを「落ちる恐怖」と「積み上げた高さを失うこと」に置き、ただ上へ登り続けることだけを目標に据えた設計により、2023年に配信を中心として爆発的に流行し、上昇(ascension)型のクライミング・プラットフォーマーを結晶化させ広く知らしめた。ゲームのすべてが「登ること」であり、一度の落下で何もかもを失いかねない——その系譜の原点である。のちに Steam から配信停止(delist)されたため、その原点は Steam のストアページではなく Wikidata のエントリで同定する。
02出典
03この原点を継ぐ発掘
アビスランナー 埋もれた名作
「上がるのみ!」の系譜に連なる、高難度・精密の2Dクライミング・プラットフォーマー。開発元は Asuwawagami(明日は我が身)——日本の同人/インディー開発者で、販売元は日本のインディー系レーベル Tensei Games(転生)だ。あなたが操るのは、魔界の女王リリ——魔法の力は絶大だが、正直、少しおバカ。ある日、魔物が巣食う縦穴を見つけたリリは、いたずらを思いつく。「呪いのアームバインダー」を通りすがりの冒険者に投げつけ、縦穴へ突き落として魔物の餌にしてやろう、と。ところが——リリは自らの罠に嵌る。アームバインダーは自分の腕に装着され、その効果で魔法の力がすべて封じられてしまう。もう飛べない。無防備なまま、リリはアビス(奈落)の底へと真っ逆さまに落ちていく。ここからのゲームの目標はただ一つ、上へ登ること——ストアページで開発者自身が「『上がるのみ!』(Only Up!)ゲームに影響を受けた2Dプラットフォーマ」と明言する、意図的に容赦のない上昇(ascension)だ。全4エリアの縦穴を、数多のモンスターに邪魔されながら、少しずつ上へよじ登っていく。そして、わずかな踏み外しが、苦労して稼いだ高さを一気に奪っていく。難易度はわざと理不尽なほど高く、テストプレイヤーは阿鼻叫喚、開発者自身が初回クリアに2日を要したという。習得すべき隠しテクニックがあり、そして「そこまでの苦行は望まない」人のために、救済としてのオプションのチート(裏技)も用意されている。2026年5月リリース、134レビュー93%(好評125・不評9)で非常に好評。無料ではない有料作で、アーリーアクセスでもない正式リリース済み。AI生成アセットはなく、Steam 自身のコンテンツディスクリプタ上、性的な要素もない。Asuwawagami は日本の同人/インディー開発者、Tensei Games は日本のインディー・ゲームスタジオだ。すでに英語に、日本語・簡体字/繁体字中国語と並んで対応しているが、134件のうち英語レビューは33件(約24.6%)にとどまり、韓国語には一切対応していない——Steam の英語圏は、この一本をまだ見つけ始めたばかりだ。