ザナックEX(MSX2、コンパイル、1987年):その系譜と、子孫と、日本での評価
01この原点とは
ザナックEXは、コンパイルの『ザナック』のMSX2版で、Steam自身の表記によれば1987年に日本でリリースされた。プレイヤーの腕前にリアルタイムで反応して敵の出現パターンが変化する、シューティングというジャンルの中でも早期に「動的難易度」を実験した作品のひとつだ。コンパイルによる新作ではなく、この1987年当時のゲームがそのまま保存され、D4Enterprise社の「EGGCONSOLE」レーベル(クラシックな日本産コンピュータゲームを合法的にエミュレーションで復刻配信するサービス)経由でSteamに再配信されたもの。コンパイル自体は2000年代初頭に経営破綻し解散しており、D4EnterpriseはそのIPのライセンスを得て運営している。TERARIN GAMESの制作者・寺山淳一氏は、Game*Sparkのインタビューでコンパイルの『アレスタ』と並べて本作を直接の影響作として名指ししている。『Blaze of Storm』はこの作品の素材やコードを流用しているわけではなく、寺山氏が「育った」と語るシューティングの系譜そのものを受け継いでいる。
02出典
03この原点を継ぐ発掘
Blaze of Storm 埋もれた名作
Steam自身の表記によれば、電脳世紀794年、国家は巨大コンピュータ「エリクシア」によって管理され、政治・経済・軍事の統制によって戦争と貧困を過去のものとしていたが、電脳空間に正体不明の敵が現れシステムを侵食し始める。電脳空間に直接意識を接続できる特殊能力者、サイバーダイバー「アヤメ・クロウ」が電脳戦闘機「イメージストライカー」に搭乗して調査に乗り出すと、その裏には電脳空間に自らの精神をアップロードした人間「ファントム」がおり、彼はエリクシアを支配し人類を自由と称する混沌へ導こうと企んでいた。この物語を軸に据えたアーケードスタイルの縦スクロールシューティングで、7ステージにわたって20体以上の個性豊かなボスと戦い、サテライト・斜め発射のナパーム・敵を貫通するチャージ・移動方向に発射するダイレクトなど5種類のサブウェポンを場面に応じて選ぶ。Steam自身の表記によれば、サブウェポンが敵に接触すると爆風が発生し持続的にダメージを与え、この爆風をうまく連鎖させることが攻略の鍵になる。制作・自社発売はTERARIN GAMES、制作者・寺山淳一氏がソロで(音楽担当2名と組み)手がけるひとりブランドで、Steam自身の告知文によれば本作は「TERARIN GAMES、10周年を迎える節目の一本——毎年新しいシューティングをリリースし続けてきたソロ開発者」であり、元は会社員だった寺山氏が10年間ソロ開発を続けた10作目にあたる。デジゲー博2025取材でのGame*Sparkインタビューでは、コンパイルのシューティングゲーム、特に『ザナック』や『アレスタ』を直接の影響作として名指ししている。オンラインランキングに対応し、オリジナル音楽とメガドライブ音源風チップチューンの2種類を切り替えられる。発売日は2026年2月18日、価格¥1,700。38件のレビュー(好評36件・不評2件、Steam自身のレビューAPI実測)で好評率約95%の「好評」。無料ではない有料タイトルで、アーリーアクセスではなく正式リリース済み、Steam実績あり、AI生成アセットはなく、Steam自身のコンテンツディスクリプタ上性的な要素もない。英語・フランス語・イタリア語・ドイツ語・スペイン語・ポルトガル語・日本語に対応し、38件のうち約18件、47%程度がすでに英語レビューで、英語圏のインタビューサイト(Tech-Gaming)も寺山氏を直接取材しているが、それでもまだレビュー数40件に満たない、小規模な自社発売のソロシューティングであり、これまでの主な支持層はマスメディアというよりシューティング愛好家コミュニティに留まっている。