系譜目利き

20世紀末の日本国内に、特別な自治領区がある。天狗の国だ。みすずという少女がその国境を越えて入国し、修行に申し込む

前提が一行の行政史改変になっていて、それが非常に良い——20世紀末の日本国内に、「天狗の国」という架空の自治領区が存在する。隠れ里ではない。異界への門でもない。地域である。国境があって、入国する。みすずという少女がそこに入国し、天狗の修行に参加していく。そこから展開するのは、化けと呼ばれる獣の神様や、天狗のお姫様、神通力と呼ばれる魔法の力が登場する、異世界学園風のドラマだ。ストア本文は、自分がどういう形式かについて異例なほど率直である——「みすずの国は、選択肢のない一本道のノベルゲームです。」クリックで読み進め、プレイ時間は2時間から3時間程度、そして読み終えたあとには回想機能があり、ゲーム内で体験したビジュアルやオリジナルサウンドトラックを視聴できる。これはStudioHommageがSteamに出した最初の、そして今のところ唯一の作品である。この名義でSteamのdeveloper検索を直接叩くと返ってくるのはちょうど1件で、連絡先も法人ではなく自身のサイトだ。発売日は2025年4月25日、価格¥500。23件のレビュー(好評23件・不評0件)で好評率100%。無料ではない有料タイトルで、アーリーアクセスではなく正式リリース済み。Steamのコンテンツディスクリプタは完全に空で、大人向けコンテンツの説明欄も存在せず、14件のユーザータグにも性的なものは一つもない。AI生成コンテンツの開示欄は存在する。当サイトはそこを言い換えず全文で引く——「一部背景にAIによる修正、生成を含んでいます。」開示の範囲はこれだけで、他のカテゴリは一切含まれていない。そして、この記事を書く価値を決めた一点がある。英語版のストアページには英語の説明文が載っていて、開発者はその末尾を、読んでいる相手に向けたこの一文で締めている——「Supported language: Japanese only.」英語で、英語の読者に向けて、これはあなたには読めません、と書いてある。23件のレビューのうち、英語はちょうど0件だ。飾らずに二点。23件という母数は満点であっても薄く、2〜3時間は短い。どちらもここに書いておく。

公開 2026-08-04

01まず、その一点の感覚

02こういう人に刺さる

刺さる

  • 日本語が読めて、planetarianの形式が「誰か」ではなく「どこか」のために使われているものが欲しい人——分岐も選択肢も無く、2〜3時間、存在しない国を歩いて過ごす
  • 第一作が欲しい人——Steam全体でこの名義の登録は1件、連絡先は自分のサイト、価格¥500
  • 記録がきれいなものが欲しい人——コンテンツディスクリプタは完全に空、大人向けコンテンツの説明欄も無し、性的タグも無し、そして23件中で不評はゼロ

合わない

  • 日本語が読めない人。作者自身が、英語の説明文の末尾に英語でそう書いている。読める形は存在しない
  • AI生成アセットが一切許せない人。開示は狭いが実在する——一部の背景にAIによる修正・生成が含まれている。それ以外は開示の対象外である

03系譜:この味の原点

100% が好評レビューはわずか 23 件英語にまだ非対応 — なのに、ほとんど誰も見つけていない

みすずの国 埋もれた名作

前提が一行の行政史改変になっていて、それが非常に良い——20世紀末の日本国内に、「天狗の国」という架空の自治領区が存在する。隠れ里ではない。異界への門でもない。地域である。国境があって、入国する。みすずという少女がそこに入国し、天狗の修行に参加していく。そこから展開するのは、化けと呼ばれる獣の神様や、天狗のお姫様、神通力と呼ばれる魔法の力が登場する、異世界学園風のドラマだ。ストア本文は、自分がどういう形式かについて異例なほど率直である——「みすずの国は、選択肢のない一本道のノベルゲームです。」クリックで読み進め、プレイ時間は2時間から3時間程度、そして読み終えたあとには回想機能があり、ゲーム内で体験したビジュアルやオリジナルサウンドトラックを視聴できる。これはStudioHommageがSteamに出した最初の、そして今のところ唯一の作品である。この名義でSteamのdeveloper検索を直接叩くと返ってくるのはちょうど1件で、連絡先も法人ではなく自身のサイトだ。発売日は2025年4月25日、価格¥500。23件のレビュー(好評23件・不評0件、Steam自身のレビューAPI実測)で好評率100%。無料ではない有料タイトルで、アーリーアクセスではなく正式リリース済み。Steamのコンテンツディスクリプタは完全に空で、大人向けコンテンツの説明欄も存在せず、14件のユーザータグにも性的なものは一つもない。AI生成コンテンツの開示欄は存在する。当サイトはそこを言い換えず全文で引く——「一部背景にAIによる修正、生成を含んでいます。」開示の範囲はこれだけで、他のカテゴリは一切含まれていない。そして、この記事を書く価値を決めた一点がある。英語版のストアページには英語の説明文が載っていて、開発者はその末尾を、読んでいる相手に向けたこの一文で締めている——「Supported language: Japanese only.」英語で、英語の読者に向けて、これはあなたには読めません、と書いてある。23件のレビューのうち、英語はちょうど0件だ。

あなたの手で、最初の合格を

planetarian HD 批評的な木霊

この味の原点——planetarian。2004年、Keyによる作品で、キネティックノベルという言葉とその存在理由を同時に与えた。選択肢を完全に取り払い、当時それは「何かを奪う」ことのように読まれた。そのうえで、引き換えに何が手に入るかを実証してみせた——書き手が、読者が何をどの順で見たかを正確に知っている、ということ。だから狙える。道が一本しかないのは、言いたいことが一つしかないからだ。『みすずの国』は公式のKey作品ではなく、この系譜は明言された影響ではなく当サイト独自の批評的比較である。ただし形式はそのまま受け継がれていて、ストアページも自分について同じ言葉を使っている。両者が分かれるのは、その一本道が何のためにあるかだ。planetarianが分岐を取り払ったのは、読者を一つの結末へ届けるためだった。こちらが取り払っているのは、ある場所を歩いて見せるため——20世紀末の日本の内側にある天狗の自治領区を、書き手が見せたい順番で。

あなたの手で、最初の合格を

04あなたの手で、この原石を輝かせる

気になったら Steam で確かめて、最初の合格をあげてほしい。あなたの一押しが、埋もれた原石を輝かせる。

Steam で見る

05この味の血統