系譜目利き

壁は、ダッシュや二段ジャンプでは開かない。開くのは、いま覚えたばかりの魔法だ

魔法少女リリィが主役の2Dメトロイドヴァニア。開発元は Turkey Games——日本の個人開発者 Turkey が(サントラ以外はひとりで)手がけた一本で、販売元は東京の、ひとりで営む同人レーベルわくわくゲームズだ。リリィは火・氷・風・雷の属性魔法を、それぞれ3段階で習得し、3つを同時に装備した状態を4つのセットとして持ち、戦いの最中に切り替える——だから戦闘は、一つの攻撃を繰り返すのではなく、魔法を「組む」遊びになる。多くのメトロイドヴァニアと一線を画すのは、そのゲート構造だ。マップは、二段ジャンプやダッシュのような移動能力ではなく、手に入れた魔法や道具で開いていく。装備とレベルによるRPG的な成長があり、相棒のミニドラゴンが戦いに寄り添い、移動も助けてくれる。核にあるのは、爽快なバトルだ。悪魔城ドラキュラの系譜に連なる一本。英語に対応済みだが、Steam の英語圏は、この一本をまだほとんど見つけていない。

公開 2026-07-01

01まず、その一点の感覚

02こういう人に刺さる

刺さる

  • 悪魔城ドラキュラや、ゴシックなメトロイドヴァニアが好きな人——力の成長とともに開かれていく、城のような世界。本作ではそれを魔法少女に手渡し、鞭ではなく属性魔法を軸に組み直している
  • 自分で組み立てる戦闘が欲しい人——火・氷・風・雷を各3段階、3つ同時装備を4セット、戦いの最中に切り替え、装備とレベルのRPG成長と、相棒のミニドラゴン。その全てが、レビューの挙げる爽快なバトルに向いている
  • Steam の西がまだほとんど見つけていない、日本の個人制作の原石が欲しい人——83レビュー92%で非常に好評、英語に対応済み、開発元 Turkey Games と、ひとりで営む同人レーベルわくわくゲームズによる一本

合わない

  • 移動スキルで進行がゲートされるのを望む人(二段ジャンプやダッシュでマップが開く、あの古典的な設計)。本作ではその代わりに魔法と道具がゲートになる——だから探索は、新しい移動手段ではなく、手持ちの魔法とアイテムに紐づいている
  • 大手スタジオの、すでに西で人気の大作や、完全に実績のあるヒット作を期待する人(本作は有料の個人同人作で——開発元 Turkey Games も販売元わくわくゲームズも、それぞれひとりの営みだ——無料でもアーリーアクセスでもない。83レビューのうち英語は約30%にとどまり、韓国語や欧州言語には非対応で、西へは絶対数でまだほとんど届いていない)

03系譜:この味の原点

92% が好評レビューはわずか 83 件 — なのに、ほとんど誰も見つけていない

ウィッチロイドヴァニア 〜魔法少女の不思議な冒険〜 埋もれた名作

魔法少女リリィが主役の2Dメトロイドヴァニア。開発元は Turkey Games——日本の個人開発者 Turkey が、サントラ以外はひとりで手作りした一本だ。販売元は、東京・西五反田の、ひとりで営む同人・インディー系レーベル、わくわくゲームズ。リリィは火・氷・風・雷の属性魔法を、それぞれ3段階で習得し、3つを同時に装備した状態を4つのセットとして持ち、戦いの最中に切り替える。だから戦闘は、一つの攻撃を叩き込むのではなく、装備を組み、その場で切り替える遊びになる。多くのメトロイドヴァニアと一線を画すのは、そのゲート構造だ——探索は、二段ジャンプやダッシュのような移動能力ではなく、手に入れた魔法や道具によって開かれていく。だから、ようやく壁を越えさせてくれる魔法やアイテムは、そのままマップを広げる鍵になる。装備とレベルによるRPG的な成長があり、相棒のミニドラゴンが戦いに寄り添い、移動も助けてくれる——戦闘と道中の双方に織り込まれている。そして核にあるのは、爽快なバトルだ。2025年3月リリース、83レビュー92%(好評76)で非常に好評。価格1,800円の有料作で、無料ではなく、アーリーアクセスでもない正式リリース済み。AI生成アセットはなく、Steam 自身のコンテンツディスクリプタ上、性的な要素もない。Turkey Games は個人開発者 Turkey の自主レーベルであり、わくわくゲームズは東京のひとりで営む同人・インディー系パブリッシャーだ。すでに英語に、日本語・簡体字中国語・繁体字中国語と並んで対応しているが、83件のうち英語レビューは25件(約30%、うち24件は好評)にとどまり、韓国語や欧州言語には一切対応していない——Steam の英語圏は、絶対数ではこの一本をまだほとんど見つけておらず、その受け手はいまも大半が日本語圏だ。

あなたの手で、最初の合格を

悪魔城ドラキュラ 原点

この味の原点。悪魔城ドラキュラ(英題 Castlevania)は、コナミが開発・販売したアクションゲームで、1986年に日本でファミリーコンピュータ ディスクシステム向けに発売された。プレイヤーはヴァンパイアハンター、シモン・ベルモンドとなり、鞭とさまざまなサブウェポンを手に、ドラキュラの城を突き進む——定番の怪物ボスに挑みながらステージを一つずつ登っていく、ゴシックアクションの一大潮流を築いた型だ。そしてシリーズが進化し、そのゴシックアクションを、能力でゲートされたひと続きの城の探索と融合させたことで、のちの『メトロイドヴァニア』というジャンル名の『ヴァニア』の側が生まれた。ウィッチロイドヴァニアは、その系譜をタイトルそのものに宿している(Witch + [Met]roid + [Castle]vania)——力を得るにつれて城のような世界が開かれていく、ゴシックな味わいのメトロイドヴァニアだ。だがその狩りを魔法少女リリィに手渡し、移動能力によるゲートを魔法と道具のゲートに置き換え、4セットの属性魔法ロードアウト、RPG的な成長、相棒のミニドラゴンを重ねることで、模倣ではない独自の一作に仕立てている。1986年の原作に単独の公式 Steam 版は存在しないため、その原点は Wikidata のエントリで同定する。

あなたの手で、最初の合格を

04あなたの手で、この原石を輝かせる

気になったら Steam で確かめて、最初の合格をあげてほしい。あなたの一押しが、埋もれた原石を輝かせる。

Steam で見る

05この味の血統