系譜の原点

Slay the Spire:その系譜と、子孫と、日本での評価

01この原点とは

Slay the Spireは、米国のインディースタジオMega Critが開発したローグライク・デッキ構築ゲームで、2017年末にアーリーアクセス、2019年1月に正式リリースされた。手続き生成される多層の塔の登攀と、戦闘の報酬としてカードを得て構築するデッキ戦闘を組み合わせ、「ローグライク・デッキビルダー」というジャンルを広く普及・定義したと評価され、Monster Trainなど後続作品に影響を与えた、その系譜の原点である。

02出典

03この原点を継ぐ発掘

Bit Oz -Wonder Crusher- 我々の故郷

我々自身の、状況を読んで組むゲーム。シューティング x ローグライトで、自分で狙うが、撃とうとすると弾がどう通ってどこに当たるかの動線が見える(Aim Mode で時間が止まり、ビリヤードのように狙う)。だから当てるだけのゲームじゃない。その先の状況を読んで、次の一手をリアルタイムで組む。技カードや反射壁で、その動線そのものが化けて盤面が一変する。

東方光耀夜 埋もれた名作

MTG型の5色マナを Slay the Spire 型デッキ構築に注いだ一本。寄せる色で盤面が丸ごと変わる。日本と中国では高評価、西ではほぼ無名。

Mortal Glory 2 埋もれた名作

ターン制の剣闘士チーム・ローグライク。仲間を集め、対面を読み、ラン毎にカウンターと特性を組む。残酷で奥深いのに、西でも数百レビューしかなくほぼ無名。

スペルトナエル 埋もれた名作

呪文を組むだけでなく、五十音の盤上を動いて一文字ずつなぞり、弾幕を避けながら唱え切るローグライト。357レビュー97%で日本では非常に好評なのに英語非対応で、西はまだ読めない。

エルバブ 埋もれた名作

無限の図書館を舞台にした、日本の個人開発者によるローグライト・オートバトラー。本人いわく Path of Exile × Slay the Spire。マスを選んでビルドを設計すると、あとは戦闘が勝手に回る。129レビューで日本では非常に好評なのに英語レビューは15件で、西はまだほぼ見つけていない。

Shooters, Ready! 埋もれた名作

制限時間内に部屋を撃ち抜き、残った時間でカードを買って武器を組み替える、日本の個人開発のFPSローグライト。741レビュー99%で圧倒的に好評なのにUIが英語非対応で、西はまだほぼ見つけていない。

春待ちトロイダル 埋もれた名作

会話がカードバトルになる、日本の同人サークルのゲーム。離島で卒業までの10日間をループし、進めなければ1日目に戻る。12人のクラスメイトとの対話を組み立て、島の謎と「悪魔」を名乗る少女の真意を解き明かす。70レビュー94%で日本では非常に好評なのに英語非対応で、西はまだ読めない(英語レビュー0件)。

One Turn Kill 埋もれた名作

山札から1枚引くこと自体がカードを使うコストになり、すべての戦闘が強制的な単ターン制——その1ターン以内に敵を倒せなければ、即座に敗北するローグライト・デッキ構築。開発は DenDen(サークル電電)——東京科学大学の学生ゲーム制作サークル「traP」のメンバーが手がけ、2021年冬のハッカソン優勝作を発展させた日本の同人サークル——販売は東京のインディーパブリッシャー Waku Waku Games(わくわくゲームズ合同会社)——2022年に Chorus Worldwide から独立した大柳竜児の一人運営レーベル。デッキは20枚、各戦闘は初期手札5枚から始まり、引くこと自体が唯一のリソースを消費するため、キルへ向けて引く一枚一枚が、温存できたはずの一枚を手放すことを意味する。だからランは、何ターンも生き延びることではなく、その一瞬で——デッキ全体がまさにこの一撃で戦いを終わらせるために組まれていたことを証明することに懸かっている。デッキ構築にランダム性は無く、スキルやカードはランごとのランダム報酬ではなく、恒久的なアンロック制で獲得される。だから一度見つけたコンボは、以後も確実に再現して実行できる——約7時間、5段階の高難度層をたどるタイムループ物語を通して。カードを使うたびに専用のキャラクターアニメーションが発動するので、組み上げたデッキは手札として読まれるだけでなく、見られるものになる。開発者は Game*Spark のインタビューで、戦闘・カードデザインの影響源として Slay the Spire を直接名指しし、副次的に構造面で Hades、物語演出の面で SANABI や A Space for the Unbound を挙げている。2026年1月15日リリース、1,372件のレビュー中96%が好評の「非常に好評」。無料ではない有料作で、アーリーアクセスではなく正式リリース済み。AI生成アセットはなく、Steam自身のコンテンツディスクリプタ上、性的な要素もない。英語・日本語・簡体字中国語・繁体字中国語の4言語すべてに、インターフェース・フル音声・字幕のいずれでも対応済みで、1,372件のうち英語レビューは約472件(約34.4%)を占める。英語圏のYouTubeレビュー1本と、英語インディーブログ「Gaming Parrot」のレビューはすでに存在し、Metacriticのページもあるが、大手西側メディアやパブリッシャー主導のプッシュはまだ確認されておらず、西側へさらに広がる余地は大きい。

ハルスベリヤ叙事詩2.5 埋もれた名作

Steam自身の表記によれば、本作は1週のプレイ時間が約1時間ほどを想定したデッキ構築ゲームで、長く続く「ハルスベリヤ叙事詩」シリーズの世界観を元にした外伝作品だ。軍団長カペナ・ノスティークロッカは、深い霧の中での戦闘により自分の軍団の大半を失い、自分の軍団がどんな物だったかさえ忘れてしまっている。散逸した指揮能力は複数の「指揮カード」で構成されたデッキとして表現され、戦闘での勝利により新しい指揮カードを得る。敗走しても大丈夫——「教訓」を得て手札の不要なカードを破棄し、より強力なデッキを構築できる。ただし「継戦能力」が完全に失われるほど敗北を重ねると、通称「迷子軍団」たる第LIV軍団は今度こそ完全に失われてしまう。この軍団は、墓場の盟主たる黒竜大公に仕える高位不死者の女の子たちで構成されており、ストア文言自身が狙いを隠さず語っている——「小規模で明るい雰囲気のアンデッドガールズレギオンをなでなでしたり、戦場でイチャイチャしたりするゲーム」であり、ラテン語調の芝居がかった掛け声で締めくくられる。Steam自身の注意書きによれば、戦争を描写するための軽い流血・暴力表現が絵・文章双方に存在する(本作のメインではない)ほか、主人公の入浴シーンもあるが、Steam自身のコンテンツディスクリプタ上はこれを性的コンテンツではなく一般的な成人向け内容としてのみ分類している。制作・自社発売は同人サークル・八潮路天涯結社で、ブログとSteamキュレーターページから10年超の活動歴を確認済み。題材となる「ハルスベリヤ叙事詩」シリーズ自体、日本語フリーゲーム『ヴァーレントゥーガ』の派生作品として10年以上前から存在し、日本語の熱心なファンコミュニティと、メロンブックスでの小説版商業展開を経てきた。今回の「2.5」は、サークルにとって初めてのデジタルストア展開となる。開発者自身の言によれば、同人ゲームとしての慣例と製作者個人の信条に基づき、本作単品でのバンドル以外の値引きは今後も一切予定していないという。発売日は2026年1月29日、価格¥1,000。29件のレビュー(好評26件・不評3件、Steam自身のレビューAPI実測)で好評率約90%の「好評」。無料ではない有料タイトルで、アーリーアクセスではなく正式リリース済み、AI生成アセットはない。対応言語は日本語のみで英語オプション自体が存在せず、29件すべてが日本語レビューで、英語レビューは1件もない。

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